中国宇宙ステーションが軌道上で飼育する第1期のショウジョウバエが近日、有人宇宙船「神舟19号」と共に地球に帰還する。関連研究を行う中国の科学者は、多くの科学の成果に期待できると述べた。
ショウジョウバエは小さく、繁殖が早く、行動が多様で、人類のゲノム配列と高い相同性を持つ、保存性と適応性を兼ね備える優れたモデル生物だ。中国は2024年11月15日に初めて宇宙貨物船「天舟8号」によりショウジョウバエを宇宙に移し、実験を行った。宇宙の低磁場・微小重力の複合環境における生物の成長・発育、行動特性、遺伝子発現などの変化の法則を研究することが狙い。
中国科学院生物物理研究所の李岩研究員は、「1カ月余りの実験で3世代のショウジョウバエを連続的に育成した。宇宙飛行士はすべての世代の移動操作とサンプル採取を行った」と述べた。
中国が宇宙ステーションでショウジョウバエ育成プラットフォームを構築し科学研究を行ったのは初で、世界で初めて宇宙ステーション内で宇宙低磁場環境を構築しその生物学的反応を調べた。李氏は、「これはショウジョウバエが宇宙の重力場及び磁場が欠けた特殊な環境において成長・発育し、求愛・交尾するといった繁殖能力を持つことを示した。宇宙環境における生物の生殖、発育及び脳、行動への影響を研究する重要な基礎を提供し、また未来の人類による長距離航行の健康サポートに科学の根拠を提供した」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2025年4月30日
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