深夜の救急処置室で、手術ロボットが難しい関節置換術を行う。遠く離れた県城病院で、複雑な心電図を解読する現場の医師をAIシステムがリアルタイムでアシストする。慢性疾患者の携帯電話の画面で、AI介護システムが患者の服薬管理とケアを丁寧に指導している。。これらはSF作品のようなシーンだが、医療AIの発展に伴い徐々に現実になろうとしている。

2025中関村フォーラム年次総会「医療AIイノベーション・発展フォーラム」において、「整形外科関節手術ロボット産業発展白書」などの多くの重大成果が発表された。医療AIの「画期的な革命」の一部が明らかになった。

国家整形外科・運動リハビリ臨床医学研究センターの張浩教授はフォーラムで、「整形外科関節手術ロボットは現在、大型病院で標準スペックになっている。3−5年で普及率が大幅に上がる」と述べた。

「当時のCTのように、3−5年内にすべての病院の標準スペックになるだろう。30年前であればCTはすべての病院の標準スペックではなかったが、今やコミュニティの病院でも設置される。この流れは確実であり、全員で発展を促進する必要がある」

手術ロボットの精度がトップレベルの外科医を超えるかが注目されている。張氏は、「ロボットを作るのはトップレベルの医師を抜くためではなく、それよりも多くの人をトップレベルの医師にさせるためだ。小さい病院や過疎地の病院ほどスマート化のアシストにより、医療水準を短時間内に大きく飛躍させることができる」と述べた。

医療AIの各シーンへの進出を促す訊飛医療北京研究院の王静院長は取材で、より生活に即した答えを出した。子供が急に発熱した場合、直ちに救急処置に送るべきか。降圧剤と風邪薬を同時に服用できるか。このような家庭を悩ませた無数の問題は今や、スマート医療アプリを使うだけで答えが見つかる。

大病院の診療部門は細分化されており、外来受付ホールでは毎日予約ミスで並び直す人が出る。AI案内ツールの介入により、患者の状況に基づき診療科を正確に推薦し、初診の効率を大幅に上げることができる。また高血圧と糖尿病の患者にとっての真の悩みは、退院から始まることが多い。十数種の薬の服用方法を暗記し、自宅で健康管理を徹底するにはどうすべきか。王氏によると、医療AIがこれらの問題を解消することができるという。

また王氏によると、AIはトップレベル病院の経験をシステム内に落とし込み、医師の地方訪問のみに依存するのではなく、AIツールによって末端の医師と優良資源を共有することができる。

この変革の軸をなすのは技術の更新だけではなく、「通院が難しく、費用が高い」という悩みを「負担可能で、正確に受診できる」という普遍的な利益に変えることがより重要だ。これは王氏が、「AI医療の最終目標は、優良医療資源を水や電力のように一般人に容易く取得してもらうことだ」と述べた通りだ。

「中国網日本語版（チャイナネット）」2025年4月1日